弁護士法人天音総合法律事務所 presents ゆっきーのCan Can do it!

毎週木曜日 bayfm/78.0MHz 
15:51~15:58 放送!

『弁護士法人天音総合法律事務所 presents
ゆっきーのCan Can do it!

弁護士法人天音総合法律事務所の代表弁護士、
正木絢生先生とキャン×キャンのゆっきーが

身近な法律トラブルや法律、弁護士のお仕事について、
わかりやすく解説する番組!

正木 絢生

2021.10.14放送/正木絢生先生

第76回

それ、ワクハラかも!?企業も社員も気を付けて!

霊感があるという友人が、バスケのシュートを失敗したり、仕事に来なかったときに「幽霊のせいで…」と言い訳のように言うことにもやもやしている様子のゆっきーさん。正木先生が優しく聞いてくださって、そんなもやもやも笑顔に変わったようです!

そんなトークから始まった第75回は、企業のワクチン接種に関する問題「ワクチンハラスメント(ワクハラ)」について、正木先生に詳しくお話を伺いました。

日本弁護士連合会の資料によると、新型コロナウイルスのワクチン接種が進む中、ワクチンの接種を強要された、ワクチン接種を受けていないことで、差別的な扱いをされた、といった報告や相談が多く寄せられています。
中には、ワクチンを打ちたくない旨を会社に伝えたところ、最終的に「打たないなら辞めるように」と退職を強要された事例もあるようです。これは法的に許されるのでしょうか。

正木先生によると、現時点では、ワクチン接種を拒否したことを理由とする解雇や懲戒処分については、違法とみなされる可能性が高いそうです。
コロナワクチンは予防接種法9条に「接種を受ける努力義務」が規定されていますが、これは接種の協力を求める趣旨のもので、接種を受けるか否かについては、あくまでも本人が納得した上で判断するものであるとのこと。
実際、2020年12月の予防接種法の改正でも、「接種するかしないかは国民自らの意思に委ねられるものであることを周知すること」などの附帯決議がなされています。

先に述べた事例のように、企業が接種か解雇かを迫った場合、実際裁判でどう判断されるかについては、職場の状況や業務内容、労働契約等も関係してくるため一概には言えないそうですが、少なくとも、「ワクチン接種を強要された」として損害賠償請求訴訟を起こされたり、「ワクチン接種を拒否したことで、懲戒処分や配置転換などの処分を受けた」として、処分の有効性を問う訴訟に発展したりすることは十分に考えられるとのことでした。

とはいえ、企業側にも、従業員の健康や、業務・職場環境への配慮、取引先やお客様の安全確保など、ワクチン接種をすすめたい理由がありますよね。
実際、あくまで従業員に自己決定権があることを前提としたうえで、適切な方法によってワクチンの接種を勧奨することは問題ないそうです。
・勧奨するにあたって、人事上の不利益を仄めかしたり、執拗な説得を行っていないか。
・仮に従業員が接種に同意した場合でも、実質的に拒否できない状況にしていないか。
・ワクチン未接種の社員に対して、出勤停止や労働条件の低下など不利益な扱いをしていないか。
企業はこういった点に注意する必要があるとのことでした。

また逆に、企業にワクチン接種を強要されたり、辞めさせられたり、差別されたりした場合には、政府の相談窓口や、弁護士に相談してくださいとのことでした。
法務省や、厚生労働省のホームページにも相談窓口があります。

ワクチンに対する考え方は人それぞれですから、企業も社員も、お互いに尊重していきたいですね!