弁護士法人天音総合法律事務所 presents ゆっきーのCan Can do it!

毎週木曜日 bayfm/78.0MHz 
15:51~15:58 放送!

『弁護士法人天音総合法律事務所 presents
ゆっきーのCan Can do it!

弁護士法人天音総合法律事務所の代表弁護士、
正木絢生先生とキャン×キャンのゆっきーが

身近な法律トラブルや法律、弁護士のお仕事について、
わかりやすく解説する番組!

正木 絢生

2021.8.12放送/正木絢生先生

第67回

スポーツ観戦はマナーを守って安全に!

ゆっきーさんのグローバルなお盆の話から始まった第67回。
今回は、日本でも他人事とは言えない、海外で起きたニュースについて、正木先生に詳しく伺いました。

6月に開催された世界最大の自転車レース「ツール・ド・フランス」。
その大会で、先頭近くを走っていた選手が、沿道にいた観客が掲げていたプラカードにぶつかって転倒、後続の選手数十人が相次いで倒れるという事故がありました。
プラカードを掲げていた観客は逮捕され、当時大会の主催者は法的措置を取ると表明していました。日本でも、マラソンのように公道を使う競技もありますよね。もし、日本で同じような事故が起こった場合でも、怪我をさせてしまった人は逮捕されてしまうのでしょうか?

正木先生によると、逮捕される可能性はあるそうです。
故意に選手やスタッフなどの大会関係者に怪我をさせた場合は、傷害罪に当たる可能性があり、怪我がなかったとしても、暴行罪になる可能性があります。
傷害罪であれば、15年以下の懲役、または50万円以下の罰金。暴行罪であれば、2年以下の懲役、もしくは30万円以下の罰金、または拘留・科料が科されます。
また、コースに物を投げ込んだりして競技の妨害をしたり、選手の順位が下がるなどの損害があった場合には、威力業務妨害罪に該当する可能性があり、3年以下の懲役、または50万円以下の罰金が科されます。

故意に妨害したり怪我をさせたりすると重い罪が科される、というのはわかりやすい気もしますが、では、わざとではない場合はどうなのでしょうか。
正木先生によると、これもやはり、罪に問われる可能性があるとのこと。
何らかの不注意でコースに侵入してしまい、選手とぶつかったような場合でも、過失傷害罪に該当する可能性があります。過失傷害罪の場合は、30万円以下の罰金、または科料が科されます。

もしも、このような事故を起こしてしまった場合には、絶対に逃げたりせず、会場スタッフなどに知らせることが大切です。逃げてしまうと、さらに罪が重たくなってしまう可能性があり、警察から指名手配されてしまうこともあり得るそうです。
事故を起こしてしまったら絶対にその場を離れないということだけはしっかり覚えておきたいですね。

ちなみに、前回放送したカスタマーハラスメント(カスハラ)の回では、企業側は従業員に対して安全配慮義務を負っているというお話がありましたが、今回の場合の企業側、つまり大会の主催者側もまた、責任を問われる可能性があります。危険が予見できたのに管理体制が不十分だったなど管理者側に過失がある場合、大会主催者は損害賠償を請求される可能性があるそうです。

選手との距離が近い競技は、選手の気迫や競技の迫力が感じられ、現地の興奮を味わえるのが魅力ですが、こういったトラブルになってしまう可能性もあります。実際に生で競技を観戦する時には、会場スタッフの指示に従い、マナーを守って、安全に楽しく観戦したいですね。